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サラウンド入門

サラウンドは面白い?

5.1サラウンドは、DVDやテレビ番組を通して、曲がりなりにも家庭で認知されるようになりましたが、これは元々映画館から移植された立体音響技術です。映画を観る時の「ワクワク」感とか「ドキドキ」感はもしかしたらその何パーセントかは音のお陰じゃないのかというのがここでの仮説です。それを探るために、まず映画館を覗いてみることから始めましょう。


「映画はストーリーだ。」と多くの監督たちが言います。つまりその規定の下では、映画におけるサウンドの役割は徹頭徹尾ストーリー体験をよりリアルにすることで、サウンド自体が遊離して目立つ存在にならないように配慮されています。でも逆に、どんなに素晴らしい映像を映し出しても、音を消してしまうとすべての抑揚が失われてしまいます。支え役なのになくてはならない存在、それが映画の中のサウンドです。


例えばSF映画で巨大な宇宙船が頭上通過するシーンとか、あるいはヘリコプターの旋回シーンなど、それら移動体が画面からフレームアウトした瞬間からが音にとっての独壇場で、その軌道は音だけで表現されるのです。それからカーチェイスや銃撃戦のような激しいシーンでなくても、雨の音、風に揺れる草原の音、洞窟の響き、こだまなどささやかな効果が丁寧に仕込まれると、それを我々の脳が三次元的空間のたたずまいとして受け取ることで、生理的にその場にいるような錯覚を覚えます。これは絵と音の相乗的効果です。


映画サウンドはこうしたノウハウを長年の経験則として積み上げられた宝庫みたいなものだと思います。家庭のテレビで映画を観ている場合、音はせいぜいのところ映像が語るストーリーの付帯情報として受け取るのに対し、サラウンドではストーリーを肌で感じるように音を聞いているということになるでしょう。ことの成り行きを向こう岸から見ているのとこちら岸で見ているくらいの違いがあります。その体感は麻薬的、つまり覚えたら病みつきと言えます。


センタースピーカーは本当に要るの?

③サブウーファーの音楽的効能

④サラウンドスピーカーのセッティング

⑤5.1が不可能な住環境なら

⑥画面サイズの決め方、ディスプレイの選び方

⑦僕の定番デモ素材



20090922