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サラウンド入門

センタースピーカーは本当に要るの?

映画館の音響システムで一番の特徴はスクリーンの裏に並ぶ三本のスピーカーです。家庭ではステレオと言えば左右二本だけですが、映画館には左右両端に加えてセンタースピーカーが置かれます。もともと映画がステレオになる前はスクリーン中央のスピーカー一本だけだったのです。(因みに映画のスクリーンは音響透過型と言って、無数の小さい穴が空いています。)


理由は単純、横に広く並んだ客席のどこからでも役者のセリフがちゃんと画面の真ん中から聞こえないと違和感が生じるためです。家庭でもこのセンタースピーカーを持たせるのが5.1サラウンドの基本型で、例えば応接間にL字に配置されたソファで映画を観るような場合は欠かせないものと考えるべきでしょう。

画面正面に置いたラブチェアから2人で観るくらいの条件であれば、センタースピーカーを妥協的に省略することも可能でしょう。実は私のリスニングルームも、広さの問題もあって、左右スピーカーだけの構成です。


センタースピーカーは、映画館のように左右と同一製品で3本揃えて使うのが理想です。ただ家庭では画面の邪魔をしない小型スピーカーをセンターに組むことが多く、その場合は左右チャンネルとの音色を揃えるのに苦労が尽きないこともあります。そうした問題を軽減するため、最近のAVアンプには視聴位置にマイクを置いて自動計測・調整する機能が付くようになっています。


しっかり調整されたセンタースピーカーで映画を観ると、左右スピーカーで虚像定位させるセリフや効果音と、実像定位のセンタースピーカーで聴くそれらとでは、やはり実体感に違いもあります。センタースピーカーを使うなら、質的にシステム全体の足を引っ張るような安易な置き方をしない、というのが鉄則です。


③サブウーファーの音楽的効能

④サラウンドスピーカーのセッティング

⑤5.1が不可能な住環境なら

⑥画面サイズの決め方、ディスプレイの選び方

⑦僕の定番デモ素材



20090922