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サラウンド入門

 サブウーファーの音楽的効能

サラウンドの5.1チャンネルというのは、フロント3本(L/C/R)とサラウンド2本(LS/RS)の合計5つの音声チャンネルに加えて、LFEと呼ばれる重低音効果チャンネルで構成されています。この重低音は低音帯域しか扱わないことから、控えめに0.1チャンネルと呼ぶことにしています。

大太鼓をたたくと、その音階以外に空気の振れを肌に感じると思いますが、映画での地鳴りとか爆発シーンで、そのような轟音の皮膚感覚を作るために、ほかの音声チャンネルとは独立させて、何倍ものパワーで駆動するLFE用のサブウーファーが使われます。

本来の目的通りに重低音を野放図に大音量で再生したら、家庭環境では近所迷惑になる恐れがあります。0.1は料理で言えば基本の味ではなく、オマケのスパイスですから、全く無視しても良いし、環境に応じて好きな量だけ振りかけて使うものと考えれば良いでしょう。


生まれ素性が映画のためだったので、この0.1を音楽では邪魔者扱いする向きもありますが、私はLFEに限定されずサブウーファーとしての力をうまく使いこなすというのが家庭での賢明な方向だと考えています。サラウンドの仕事をしていると、低音について新鮮な発見があります。例えば位相分離に依った初期のサラウンドを扱っていた頃、私はステレオ収録されたコンサート録音を普通に左右のスピーカーで再生すると見えてこない低音域が、サラウンドスピーカーを追加した途端、雰囲気が変わるほどのエネルギーで存在を見せる、そしてそれが実にホール的でもあると言う経験をよくしました。それ自体は制作側の課題なのですが、少なくとも低域の実像出力ができるサブウーファーを使えば、音楽でも皮膚感覚的な再現にある程度寄与できると確信しています。通常のスピーカーシステムでは、特性的に低音域での再生エネルギーが自然減衰するので、本当の意味での低音が聞けないケースがほとんどです。エンヤの音楽は好んで重低音域をミックスしており、それを抑制の利いたサブフーファーありとなしで聴き比べると、本当に違った音楽体験になります。


ということで、サブウーファーは音楽ソフトでチューニングしてみるというのが、私のお薦めです。



④サラウンドスピーカーのセッティング

⑤5.1が不可能な住環境なら

⑥画面サイズの決め方、ディスプレイの選び方

⑦僕の定番デモ素材



20090925