Bits Archive: December 2005

 

December 4, 2005

テリー・ギリアムのブラザーズ・グリム

11月は頼まれ原稿をひとつ抱えて、調査と執筆に追われたりで厳しかったです。テーマは映画サウンドの制作過程についてだったので、現場環境が完全にデジタル化していたこともやや驚きとともに再確認、久しぶりに勉強させてもらいました。


音屋さんを悩ませるのはフィルムとビデオの同期の複雑さでしょうか。例えば毎秒24コマのフィルムは1時間86400コマの画があるわけ。ところがテレビ(日米はNTSC)のクロックに同調させると毎秒23.976コマで走ることになって、1時間のコマ数が86314止まり。つまり1時間のフィルムが1時間と3.6秒のビデオに変身するのです。音も放置するとリップシンクが合わなくなるとか、0.01%ピッチが低くなるということです。


グリム兄弟の壁紙ダウンロード

© 東芝エンタテインメント

とにかく、先週の締切に原稿も書き終えたので、週末土曜の夜はTジョイ大泉で「ブラサセーズ・グリム」のレイトショーを観てきました。テリー・ギリアムの映画ですからね、打ち切りになる前に観ておかないと。観客は15人くらい。この映画は興行的には成功してるのかなあ?観て悪くない映画だと思います。実は、僕はモンティ・パイソン一派のファンなので、やっぱ「バロン」の方が好みかな。ブログの立ち上げ時の記事は「銀河ヒッチハイカー」で始めようかと思っていたくらいです。

「グリム」は「おかしさ」の部分が少なかったね。色気もなかったし。僕は今風の特撮映画というのはみんな傾向が似ているのが厭で、まあおとぎ話ということではあるんだけど、ハリポタでもLOTRでも「やり過ぎは興醒めだしなあ」と感じるので、今回のグリム兄弟もそういう特撮への抵抗があったかも。

今回はまるまる悪魔払いみたいな話だけど、「バロン」の時の死神は良かったよ。おどろおどろしくても、「もののけ姫」みたいな行き方もあるだろうし。グリム童話がもともと残酷であったり、グロテスクであったりという話題は10年くらい前に一時書籍でもて囃されたけど、僕はどの本も読んでいないのでちょっとその線からは解説はできません。


さて映画絡みでもうひとつ、例の「チキン・リトル」の3D上映の件ですが、本社からセッティング・調整のためエンジニアが来て、作業が始まっています。もう広告なんかで情報は出ているんじゃないかと思いますが、僕の方は来週にでもちょっと取材的に現場の様子を見れないかなと思っているので収穫があれば報告します。設備は1館、首都圏の人は何とか頑張れば体験できそうです。




December 9, 2005

AMC16イクスピアリ映写室から

舞浜イクスピアリの「チキン・リトル」3Dのセッティングですが、実は5日の月曜にはほぼ完了していて閉館後の夜中にランスルーという段取りまで進行していました。ということで私は参加をあきらめて、ドルビー製品国内代理店のコンチネンタルファーイーストの三浦氏に仕上げ作業現場の情報をいただきました。




今回の上映はかなり大がかりな設備の入れ替えになったようです。もちろん場所的にもディズニーの聖地ですから、ディズニーさん、AMCさん、TDLさんの三者とも、何としてもやるならここでという意気込みが強かったことは想像に難くない話ですよね。

まずプロジェクターは新にクリスティーの2Kモデルが来ました。ということは左目・右目用映像合計48コマ/秒のシングルファイル版ですね。レンズの前で縦・横の偏光フィルターが毎秒3サイクルで切り替わる動作をします。



写真の中でプロジェクターの傍で作業しているのが本社から来たエンジニアのポールです。輝度についてはREAL Dのスペックが厳しいのか、スクリーンも今回のためにシルバースクリーンをカナダから取り寄せたそうです。みなさん、映写室の投影用窓ガラスがとてつもなく高価だって知ってます?それも取り替えたとすると、光の透過率アップでしょう。結局、映像部分は総取っ替えして臨むということですね。すごいなあ・・・!ドルビーデジタルシネマ機器もラックに収まっています。なぜかドルビーのShow Store1台なのにShow Player2台あるのは、クリスティーのプロジェクターに追加のボードがあって、そこに左目用・右目用のデータを個別に入力するためです。



さて、テストも無事終わって後は17日の先行公開を待つばかりとなりました。ここでの上映は吹き替え版です。15日には招待イベントも催されるようです。もちろん緑の3Dメガネは持ち帰りできます。米国から届いたメガネなので、私が持っているヤツと同じですね。


年末から新年に掛けて、ディズニーランドとチキン・リトル3D@イクスピアリのセットプランは捨て難いですよ。チキン・リトルの大きなバルーンがお迎えしてくれます。


来週はもう1 館で3Dの仕込みができるかどうか、最後の追い込みです。






December 17, 2005

表参道ヒルズはニッチなモールか?

今週はプレビューウィークだった。まず月曜日はキング・コングのプレビューに東京フォーラムに出かける。会場は映画鑑賞にはちょっと大きすぎるAホールだけど、ここはよくプレビューには使われる。入りは半分弱くらいかな。平日の昼間だし。写真は当日のバンフ。ついでにニュージーランドにあるピーター・ジャクソンのスタジオのパンフも一緒に添えて記念撮影だ。

この手のイベントに来ると、最近は「いくらかかったかな」とつい考えてしまう。例えばセキュリティ要員などでかなりの数のアルバイトが駆り出されているし、携帯電話も入口で全員に黒い袋を渡して口を閉じてしまうので、帰りにハサミでストラップを切るまで使えなくなるわけだ。パンフレットも頑張っていたし、あれやこれや「安くないよなー」と思うのはうちがやるとどうなるかと考えるからだ。

それと言うのも、ドルビーは今年が創立40周年で、その間これまではどちらかと言うとひたすら黒子に徹して来たわけで、その結果マーケティングが遅れている。今は消費者と直接コミュニケーションを図ろうという気持ちは会社としてもはっきり強くなってきた。只今進行中の「ドルビーバーチャルスピーカー TRY! キャンペーン」はドルビーとしては初めてかなり気合いの入った規模で直接市場に対して打って出た販促活動なんだよね。(皆さん、「ポーラー・エクスプレス」とか見たい人、今ならまだ先着でDVDが貰えますよ!電話で簡単応募です。お店でDVDデモかチラシを見てキーワード捜しがあるけど、まあこれを読んでも何となく推理できそうな鍵ですよ。)

http://www.dolby-try.com/40.html



それはともかくキング・コングだけど、やはりピーター・ジャクソンの思い入れが強くて、とにかく盛り沢山の煽りが続く映画だった。恐竜や巨大昆虫だけで「ジュラシック・パーク」分楽しめて、キング・コングと恐竜のファイトでは「ゴジラ」的に楽しめて・・・という3時間8分はちょっとサービスし過ぎの感ありだな。前半で頑張りすぎたせいか、後半は船でキング・コングを運ぶシーンもないし、逆に急ぎ足という印象。僕としては、これを観ても1933年のオリジナル版は色褪せないし、1976年版も何しろ僕はジェシカ・ラングが好きなので捨てられない。CGのクオリティは秀逸だね。9月のCEDIAショウで東芝がHD-DVDデモしていたキング・コングのクリップは100インチくらいの画面で、見とれるほど高精細だったので、僕はそんなHDでもう一度みてみたい。今回はニュージーランド関係者からの招待だった。どうも有り難うございます!


金曜日は来年2月オープンの表参道ヒルズを内覧させてもらった。六本木ヒルズに続く森ビルの再開発プロジェクトだ。原宿同潤会アパート跡地がモールに変身して、趣味性の高い店舗が集まるらしい。設計は安藤忠雄でシンプルさとスケール感は実に安藤の匂いだと思う。螺旋スロープで各階をぐるぐる巡るのはニューヨークのグッゲンハイム美術館みたいで、3FからB3まで6周コースだ。うまい店でも見つかれば六本木より気に入るかもという気がした。映画館も美術館もないけどね。



今日は一月入社の社員用机などを搬入してオフィスのレイアウト変更なので、出社してOAフロアを開けて配線などをする。10年くらい前にLantasticcc:Mailを使ってPTPPで社内ネットワークを見よう見まねで構築して以来、私がドルビージャパンのシステム担当もやっている。今以て日本支社にIT専任スタッフはいないし。技術職人に徹するというのは、黙々と仕事が出来るし悪くない。

その他にも今週は本社から数えてみると9人くらいが来ていて、複数の会議が並行して進行していたので、要するに「師走」そのものという一週間でした。




December 27, 2005

行くなら北か南か?




23日からオフィスは年末休暇入りなので、早くも雪景色の中に来ている。理由を考えたことはないが、僕の心は北へ惹かれるみたいだ。カミさんと旅行した国で複数回訪れたのはカナダとフィンランドだし、昔からインテリアの好みも基本は北欧。35年ほど前に使っていたIKEAのシステム家具は246通り沿いにあった青山さるんというACTUSの前身だった店が扱っていた。グレン・グールドだって装いからして北の人だ。で、突如自動車の話に振っちゃいますが、今年我が家に初めて車が来た。


これまでは走るものといえば自転車しかなくて、地球温暖化にも配慮していたわけだが、老齢の親父を移動させたりの必要もあって購入したのは自然体でボルボのステーションワゴンになった。初めてなのでもちろん中古車、ネットでボルボを多く扱っている店を3軒くらいに絞って見て回ったが、店長さんの説明する情報の的確さ、とてもパーソナルな応対、整備のしっかりした感じなどからワールドワゴンというお店でお世話になることにした。94年モデルの850エステートで走行51,000km、保険など諸々合計すると100万は超えたけど、満足な買い物だったと思う。スノータイヤまで付いてきたので、今回はこれを装着しての走行となったが、ボルボには雪道モードというのまであって、トルクやブレーキの制御が良くできているのか雪の上でも全然ぶれない、さすが雪国の車だ。これで冬の楽しみが増えたかな?この車に買い足したオーディオ系は写真では判別困難かも知れないが、Kenwoodのナビ(オークションで)とベーシックなCDヘッドユニット、iPodインターフェース。(会社のデモカーみたいなSurround in Motionにはなってません!スミマセン!)


ここは昨日も今日もずっと雪、気温は-4℃くらい。オーロラツアーで体感する<-25℃と比べれば、散歩時の寒さも可愛いもんだ。今週は残った仕事の方はリモートでぼちぼち続けて、後はできるだけのんびり雪見の温泉ですね。


僕はTheSPA誕生以来の隠れサポーターで、小島とかサントスとか往年の選手も頑張っていたチームだし、一年前の天皇杯での大活躍はワクワクだったけど、J2でのこの一年はさすがに力不足が出てしまったね。去年の年越しは湯畑だった。ここの年越しイベントでは草津名物の湯もみに参加できるし、振舞酒やオールデイズのコンサートまで出てきて、最後は選手たちとのカウントダウンと花火だ。除夜の鐘は階段を登った上の光泉寺にみんなが並ぶが、同行していた娘は何と2年連続で108つ目をついた。その時のQuickTImeをお見せしましょうか?ファイルサイズは75Mありますけど。




今回はここでは年越ししないで新年早々出張です。次回のブログはラスベガスのCES2006民生機器展報告かな。それでは

皆様、A Happy New Year!!!




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さらに続く・・・