Bits Archive: March 2006

March 5, 2006

グレン・グールドの墓

今週末はトロントからの報告です。日中も氷点下5℃くらいかなと言う寒さで、今週は天気も良くて日差しは強いけど風の痛さが身にしみます。ここにはナイアガラもありますが、今回は駆け足でグレン・グールド墓参をしました。


「マウント・プレザント墓地は市内からすぐ近くだよ」と現地JTBの友人が連れて行ってくれるというので、土曜の朝出かけることにしました。入口には「後はお任せを。まだ空きがあります」みたいな広告看板が立ててあって、敷地は広大です。



街から車で来ると右側に入って少し行くと事務所棟が見えます。「グレン・グールドのお墓に行きたいんですけど」と事務所のお姉さんに聞くと、手際良く地図を出してGouldと記されている場所に黄色いマーカーを引いて渡してくれました。

入ってきた道に戻ってそのまま進み、ロータリーを越えた向こう側の41番ブロックで割と大きめの十字架を目標にその裏に墓がありました。実はこのブロックの中を結構うろうろしましたが、グールドは今、中国人のお墓に囲まれて眠っている感じです。



墓石にはグールド家族の名前が刻まれています。
その手前にはピアノを縁取りした中にグールドの名前とゴルトベルク変奏曲の冒頭のフレーズを記したかわいらしい石碑が地面に埋められています。そこにはバラも添えられていました。


墓の前でほとんどミーハー状態の自分に若干の嫌悪を覚えつつ、それでも長年思い描いていた夢の達成感を胸に墓地を後にしました。


さてこちらで気づいたのですが雪国のせいかヤケに汚れた車が多いこと。これが実は道路にまいた塩が付着するせいで真っ白になるのだとか。乾燥した塩をボディーに纏って走っているというわけだ。





March 12, 2006

コンサートCDの続報

コンサート会場でその日の演奏を公演後に買えるという話を2月にしたが、トロントの友人は昨年女子十二楽坊のコンサートに行ったときの話をしてくれた。
女子十二楽坊の北米ツアーはトロントを皮切りにスタートしたそうで、友人は大雨と渋滞で郊外の会場に着くのが1時間くらい遅れたそうだ。

女子十二楽坊資料館より


彼としては取り返しのつかない失敗だった。ところがコンサート後にすべての演奏を録音した2枚組アルバムが売られているの発見、大いに助かったと話していた。その後このアルバムが買えるのかどうかは調べていないが、彼の話では女子十二楽坊のアルバムは向こうでは数えるほども出ていないそうだ。


さて僕の方は2月9日のカドガン・ホールでのガーディナーのモーツァルトコンサートCDのことをニュースを知ったその場でモンテベルディ合唱団の公式サイトに注文しておいた。イギリスからディスクが届いたのは10日後の19日だったので、鮮度の高い宅配と言えるかも知れない。2曲の交響曲はいずれも期待に違わぬ演奏で、生演奏録音でここまで音質も確保してくれれば僕としては大満足だった。




March 13, 2006

CD Book

先週はサンフランシスコで毎日朝の8時半から夕食を含めて21時半くらいまで、ぶっ通しで幹部の集中会議をしていて、まるまる一週間缶詰状態だった。ところが時差がなかなか抜けなくて、結局すべて解放された金曜の夜になって初めて7時間くらいの睡眠が取れた。今回はOrchard Hotelに滞在している。


この宿の良さは割と小型のヨーロッパ的なホテルで、朝食込み・高速インターネットも無料と良心的なところ。我が社の特命顧問をしているChrisなんかは今年1月から今まで、数えてみたら自宅よりここにいる日数の方が長いと言っていた。
部屋にはテレビの他にソニーのサラウンドシステムもあって、DVDやCDが聞ける。最初スピーカーが見えなくておかしいなと捜してみたら、何と背の高いテレビキャビネットの上にこっそりと5個のスピーカーを四方に向けて並べてあった。写真では見えないが、サブウーファーもこのキャビの横に置かれている。



さらに後になって気がついたことだが、机の上に置かれている本の一冊はDEEP SLEEP 101とタイトルがあり、眠りについての小冊子で音楽CD付きだ。最近、ブック形式のCDをよく目にするが、これもそんな一冊になっている。



まずこのCDに収録されている、眠りに誘ってくれる曲とやらを書き出してみよう。
1. Hannahlily – Tina Mitchell Wilkins
2. Hymnus: Creator alme siderum – Cantarte Regensburg
3. Tunula Eno – Samite
4. Godson Song – Bill Friesell
5. Lullaby – Pink Martini
6. Just This – David Chandler
7. Mozart/Tchaikovsky: Ave Verum Corpus – Stuttgart Radio Symphony
8. Mozart: Ave Verum Corpus – Berlin/RIAS Symphony
9. Beethoven: Sonata No. 14 月光 – Evelyne Dubourg
10. Schumann: 子供の情景から トロイメライ – Cypreien Katsaris
11. Brahms: 子守歌 – Budapest Strings
12. Goodnight – Linda Ronstadt


なぜモーツァルトのAve Verumが重複しているのか判らない。本の中身は解説が長くなるので別の機会に譲るが、ある大学の研究所でこの本と睡眠薬を比較実験してみたところ、睡眠薬より効果の上で勝っていたと書いているので今夜試してみることにしよう。


もう一冊、最初の写真で並んでいるモーツァルトのCDはVirgin Mega Storeで物色していて遭遇したものだ。3枚のCDを挟んで書籍のように分厚い解説が組まれている。後期3大交響曲の歴史的演奏を複数集めたもので、ワインガルトナー、クライバー、ビーチャム、フルトヴェングラー、シュトラウス、トスカニーニ、ワルターが顔を揃えている。このアルバムはAndanteというレーベルから出されており、厳密な78回転精度、再生針の厳選、24ビットリマスターなどをまとめてCAP440プロセスと称している。他にピアノ協奏曲や室内楽のアルバムもあったが、$45なので今回はこれだけ買ってみた。ディスクは昔のアナログレコードを思い起こさせるデザインというか印刷を施している。





March 26, 2006

中古製品とPSE法

いやーっ、すっかりご無沙汰してしまったような気がします。中旬に出張を終えて帰国しましたが、先週は組織の手直しなどに追われていました。それからマル秘プロジェクトも進めております。お知らせできるのはもうちょっと先になりますが。


そうこうするうちにPSE法がいよいよ秒読み状態に入って、悩ましい事態と感じていました。もちろん安全は製品の根本的要素ですからコンプライアンスは不可避です。しかし中古品の扱いが問題でした。特にオーディオや音楽制作に絡む機器というのは、市場に出回っている中古品は実際に使用される中で波にもまれながら生き残ってきた言わば人生の勝者みたいなもので、しかも中古品販売業という人達も現実にいるわけですから、心情的には世の老人に対してある日突然ライフラインを遮断するというような通告は政策としていかがなものかと言いたくなります。坂本さんそうですよね。
一方、PSEマーク自体は5年前から使われてきたし、安全法もその経過措置期間の中でずっと暖めてきたことなので、今後は中古品もマークを独自に取得するかリタイアさせるかの選択を実行に移すのが妥当との議論が行政にはあります。


←我が家の2001年製加湿器にも○にPSEの3文字


ハーマンインターナショナルの安田社長とは昔いっしょに仕事した間柄なので時折連絡を取り合っていますが、彼は日本インターナショナルオーディオ評議会の会長としてここのところ販売店との話し合いに奔走したり、経産省と掛け合ったりと、PSE絡みで走り回ってると話していました。
そんな折、土曜日の日経朝刊一面に「中古家電、安全マーク不要」の記事がありました。どうやら政府は中古機器をレンタル品と見なして緩和措置を講じるようです。とりあえず関係者は一安心でしょうか。


電気用品安全法について簡単に勉強したい方はステレオサウンドさんの下記のサイトから覗いてみると良いでしょう。
http://www.stereosound.co.jp/hivi/detail/newsheadline_pse2.html




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さらに続く・・・